おはようございます。

💸今週はエネルギー、リサイクル系スタートアップが資金調達を実施したと発表しました。

🏋️‍♀️原子力発電産業は、長らく日本経済の停滞を象徴する分野となっています。再稼働の遅れは、岸田政権、石破政権に続く高市内閣でも解消されておらず、依然として課題が残っています。原子力の安全性を審査する原子力規制委員会(NRA)では人手不足が深刻化しており、このままでは再稼働のさらなる遅延につながる懸念があります。

🆕一方、海外では小型原子炉(SMR)の導入が進展しています。ロシアは東南アジア諸国への導入を呼びかけるほか、中央アジアのウズベキスタンではすでに建設が始まりました。実用化においてロシアは欧米を先行し、原発輸出を通じてグローバルサウス(新興・途上国)との関係強化をする狙いです。

⏩日本では、SMRの制度設計すら本格的に始まっておらず、高市政権が掲げる導入方針が政権任期中に実現するかは不透明です。原子力再稼働推進の中核を担うNRAの人材不足が続く中で、技術推進と産業発展を両立させるために、SMR導入に向けた規制制度の整備と原子力発電産業における専門人材の確保・育成をどのように進めるかが大きな試金石となりそうです。


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📰今週のニュース

🌎️ブラジルで開かれていた国連気候変動枠組み条約(COP30)の首脳級会合は閉幕。議長国ブラジルが、温室効果ガスの排出量を企業などが取引する各国・地域の炭素市場の統合を目指す有志連合の発足を宣言しました

✈️シンガポール民間航空局は、2026年にSAFの一括購入を始めると発表しました。同国は30年までに航空燃料の3〜5%をSAFに置き換える計画で、一定規模の需要を示すことで生産増を促し、普及を進める狙いです。

💷英東部に建設されるサイズウェルC原子力発電所(167万キロワット×2基)の約1兆1千億円の資金調達が完了しました。これにより、発電所の建設が本格化する見込みです。

🔋セラミック製品大手の日本ガイシは31日、長寿命で大容量の蓄電が可能なNAS電池(ナトリウム硫黄電池)の生産・販売を終了すると発表しました。思うように販売が伸びず、中国勢が蓄電池市場で台頭するなど、不採算事業となっていた。

🧾北海道電力は31日、泊3号機が稼働すれば家庭向け料金で11%を値下げすると正式に発表しました。2027年に泊原子力発電所(北海道泊村)3号機の再稼働を目指しており、稼働で火力発電の燃料費が減ることを反映された計算です。


💵資金調達

🧠エネルギー効率に優れたエッジ向けAI処理を行うファブレス半導体企業のEdgeCortixは、TDK Ventures、CCBI、Jane Street Global Trading、ヤンマーベンチャーズ、Pacific Bays Capital、NTTファイナンス、SiC Power、Aero X Ventures、SBIインベストメント、GHOVCより、シリーズBセカンドクローズを完了、累計調達額が1.1億ドル(約160億円)を超えたと発表しました。

🍳植物性代替卵のUMAMI UNITEDは、mint、Beyond Next Ventures、ジェネシア・ベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、ユナイテッド、三菱UFJ キャピタル、みずほキャピタルよりプレシリーズAラウンドにて総額3.1億円の資金調達を実施したと発表しました。

ナノセラミック分離膜を活用し、有機溶剤のリサイクルの省エネ化に寄与するイーセップは、グローバル・ブレイン、神戸大学キャピタル、京都キャピタルパートナーズ、ミライドアより、シリーズAにて総額4.3億円を調達したと発表しました。

🧊放射冷却技術を用いてゼロエネルギーで温度を低下させる素材を開発するSPACECOOLは、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、京都銀行から10億円の融資枠を確保したと発表しました。


⇧ファンド設立・買収・IPO

⬆産業革新投資機構は、傘下のJICCを運用者とするJIC PEファンド2号投資事業有限責任組合、およびJIC PE共同投資ファンド2号投資事業有限責任組合を組成すると発表しました。合計のファンド規模は8,000億円となり、テーマとして「業界再編」「成長投資」に加えて、民間ファンド主導の「事業再編」機会への協調投資の3つを軸に投資によるリスクマネー供給を検討していくとのことです。

⬆ケップルグループは、未上場株式のダイレクトセカンダリー投資に特化したKepple Liquidity 2号投資事業有限責任組合を設立し、61億円でファーストクローズを実施したと発表しました。


🎤イベント

➕Climate Adaptation & Resilience:11月18日、東京大手町で気候適応・レジリエンスソリューション技術・サービスの需要などを議論するイベントが開催されます。詳細はこちらから


以上、日本や世界でのClimate Techに関する情報をご紹介しました。それでは、良い一週間をお過ごしください!

Climate Techに関する新しいアイデアや、イベント、関心/興味のあるトピックがあれば、ぜひClimate Tech Japanにまでお寄せください。


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🌎原子力産業、人手不足と制度設計の遅れ #131