🌎総裁選とLi電池#83
おはようございます。
今週は立憲民主党の総裁選で野田元総理が総裁になり、自民党総裁戦が今週金曜にあり、候補者それぞれのエネルギー政策が注目を集めています。特に原子力発電に対しての政策、また核融合の早期実証化が注目を集めます。
今週は燃料、蓄電池、リサイクル、CCS系スタートアップが資金調達を実施したと発表しました。
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リチウムイオン電池の安全性とゲル電解質
👆背景
リチウムイオン電池は、脱炭素素社会を実現するために欠かせない存在です。しかし、発火や爆発の危険性の高さが問題視されています。電解質と呼ばれる物質が、少しの衝撃や温度上昇で発火してしまうのです。そのため、航空機へのリチウムイオンバッテリーの持ち込みは禁止されています。安全性の高い電池(全固体電池など)の開発が世界各地で進められています。
今回の注目ポイント
🆕今回のニュースは、ゲル電解質を用いた新しい電池が開発されたというものです。注目されているのは、ポリ(イオン液体)ベースのデュアルネットワークゲル電解質という材料です。注目されている理由の一つは、非常に高い安全性です。また、300度以上の高温でも安定しているため、熱にも強いという特長があります。
🔭少し科学的な話になりますが、この材料の最大の特徴は「デュアルネットワーク」と呼ばれる構造にあります。動的な架橋と共有結合の架橋という2種類のネットワークが同時に存在しており、これにより材料は柔軟性を保ちつつ高い強度も実現しています。
🏄♂️さらに、動的な架橋のおかげで自己修復機能も持ち合わせているため、長期的な使用においても優れた耐久性を示します。ゲル電解質電池の登場は、リチウムイオン電池の安全性向上をもたらすことになるのでしょうか。
📰今週のニュース
⚡️米国のスリーマイル島原子力発電所が再稼働し、マイクロソフトが20年間すべての電力を購入します。AI向けの電力需要が急増する中で、安定的な非化石電源である原発への企業の関心が高まっています。
💴水素関連分野への投資に特化したファンドJapan Hydrogen Fundがトヨタ自動車や三井住友銀行など8社から4.1億ドル(約600億円)を集め、第1段階の資金募集を完了しました。
🫷第7次エネルギー基本計画策定に向けた政府の各種会合での議論に注目が集まっています。9月27日には自民党総裁選挙の投開票も控えており、告示の12日以降は各候補者の支持拡大に向けた動きが激しくなるなか、発表される各種政策において、エネルギーに関連するものについての議論にも熱が帯びると期待しています。
💵今週の資金調達
🧪バイオマス原料から燃料・プラスチック素材の製造を目指すiPEACE223は、日本化薬、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーターよりプレシリーズAラウンドにて総額2.3億円の資金調達を実施したと発表しました。
🔋蓄電池を活用した製品やサービスを出荷および導入するパワーエックスは、シリーズCラウンドの前半として総額24.6億円の資金調達を実施したと発表しました。
♻️小型ゴミ再処理装置を開発するJOYCLEは、融資を含めて累積総額約1.7億円の資金調達を完了したと発表しました。
🌅海洋性紅色光合成細菌を利用して二酸化炭素と窒素を固定するSymbiobeは、シリーズAラウンドにて総額8.0億円の資金調達を実施したと発表しました。
🧾グローバルな炭素会計及び脱炭素化プラットフォームZeveroは、シードラウンドのファーストクローズにて約10億円の資金調達を実施したと発表しました。
以上、日本や世界でのClimate Techに関する情報をご紹介しました。それでは、良い一週間をお過ごしください!
Climate Techに関する新しいアイデアや、イベント、関心/興味のあるトピックがあれば、ぜひClimate Tech Japanにまでお寄せください。
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